
はじめに
こんにちは!GMテクノロジー・ラボです。
前回までのシリーズでは複雑な部品を全自動で加工する「複合自動盤(ふくごうじどうばん)」の仕組みについてお話ししてきました。 しかし、機械がどれだけ速く複雑な形を削れたとしても、それだけでは製品は「完成」とは言えません。
今回から始まる新シリーズのテーマは【測定(そくてい)と品質管理(ひんしつかんり)】です。 加工部品の品質を裏で支えている「測る」世界へご案内します。
量産において「全く同じサイズ」を作り続ける難しさ
たとえば図面に長さ寸法が「10.00」ミリと書かれていたとします。 じっくりと時間をかけて調整しながら加工すれば、数個だけならピッタリその通りに作ることはできるでしょう。
しかし、自動盤の最大の使命である「量産」となると話は変わってきます。 何万、何十万個と連続して部品を作り続けると、機械のわずかな温度変化や刃物の摩耗(まもう)などによって、どうしても目に見えないレベルでの「ズレ」が生じます。10.001ミリになったり、9.998ミリになったりするのです。 つまり、大量生産において「すべての部品を誤差ゼロの全く同じ寸法に揃え続けること」は、とても難しい事なのです。

絶対ルール「公差(こうさ)」
そこで登場するのが「公差(こうさ)」という考え方です。公差とは簡単に言うと「図面のサイズから、どれくらいまでのズレなら許されるか」という範囲のことです。
例えば図面に「10.0(±0.01)」ミリと書いてあったとします。 これは、「9.99ミリ ~ 10.01ミリ の間に収まっていれば合格(OK)」という意味です。 この厳しいストライクゾーン(公差)に入っている部品だけが、お客様の元へ届けられます。少しでも外れれば容赦なく不良品(NG)として破棄されます。

測ることで「精度」を証明する
100分の1ミリ、あるいは1000分の1ミリ(ミクロン)という公差を守れているかどうかは、人間の目や手の感覚だけでは分かりません。 だからこそ削った部品を「正しく測る技術」が必要不可欠なのです。
「確かに公差内に入っていますよ」と証明できて初めて、金属の塊(かたまり)が「精密部品」へと進化します。

次回予告
では、その目に見えないわずかな違いを現場ではどうやって測っているのでしょうか? 次回は、モノづくりの現場にある相棒、「ノギス」と「マイクロメータ」について解説します。 お楽しみに!

