第16回:【自動盤で使われる材料】鉄系材料:快削鋼・炭素鋼・ステンレスの特徴と使い分け

はじめに

 こんにちは!前回は自動盤加工に使われる材料の全体像を紹介しました。今回はその中から「鉄系材料」に焦点を当て、代表的な3種類 ― 快削鋼・炭素鋼・ステンレス ― の特徴と使い分けについて解説します。

快削鋼(かいさくこう)

  • 特徴: 加工しやすいように改良された鋼材。鉄(Fe)に鉛(Pb)や硫黄(S)などが添加されており、切削性に優れています。
  • メリット: 工具の摩耗が少なく、加工スピードを上げやすい。
  • 用途例: 自動車部品、電気部品、小型シャフト、ボルト、ナットなど。

炭素鋼(たんそこう)

  • 特徴: 鉄(Fe)に炭素(C)を含んだ鋼材で、強度や硬さがあるのが特徴。炭素量によって性質が大きく変わります。
  • メリット: 強度や耐摩耗性を求められる部品に最適。熱処理でさらに硬度を調整可能。
  • 注意点: 加工性は快削鋼に比べて劣ります。
  • 用途例: 工具部品、シャフト、ピン、ベアリングパーツなど。

ステンレス鋼

  • 特徴: 鉄(Fe)にクロム(Cr)を主に含む合金で、耐食性(サビにくさ) に優れた鋼材。種類も多く、SUS303、SUS304、SUS316などがあります。
  • メリット: 医療・食品・化学分野などで活躍。強度もあり、汚れが着きにくく清潔性が求められる場面に強い。
  • 注意点: 材質が硬いため、工具摩耗に注意。切削条件の最適化が必要です。
  • 用途例: 医療機器、食品機械、化粧品容器、ネジ部品など。

次回もお楽しみに!

 鉄系材料は自動盤加工で最も多く使われる素材のひとつです。それぞれの特性を理解して使い分けることで加工の効率と製品品質の向上につながります。
 次回は「非鉄金属」について解説します!真鍮やアルミ、銅などの特徴を紹介しますので、お楽しみに!

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