第18回:【自動盤で使われる材料】樹脂材:樹脂材料の特徴と使い分け

はじめに

 こんにちは!前回は非鉄金属(真鍮・アルミ・銅)について解説しました。今回は樹脂材(プラスチック)についてご紹介します。金属とは異なる性質を持つ樹脂は、使い方や加工方法にもいくつか注意点があります。

樹脂材料とは?

 樹脂材は合成樹脂(プラスチック)を原料とする非金属材料です。金属と比べて軽く、絶縁性・耐食性が高いため、電子部品や医療機器部品などで活躍しています。

代表的な樹脂材:

  • POM(ポリアセタール):高強度・高剛性で、精密部品に適しています。
  • ナイロン:摩耗に強く、歯車や滑り部品に多用されます。
  • PTFE(テフロン):滑り性・耐薬品性が高く、特殊用途に使用されます。

加工上の注意点

 樹脂は金属とは異なる性質があるため、加工時には以下のような注意が必要です:

  • 熱変形:切削熱で変形しやすいため、送り速度や回転数を抑える工夫が必要です。
  • 寸法安定性:吸湿性や温度変化の影響を受けやすく、精度管理には工夫が求められます。
  • 切粉:切粉(きりこ:削った時に出来る切りくず)が絡みやすいため、エアブローや吸引による除去が重要です。

樹脂材の切削加工

 皆さんの身のまわりにある樹脂(プラスチック)製品は、何らかの成形加工によって作られている事が多いです。では、なぜあえて「樹脂材の切削加工」が必要とされるのでしょうか?
 理由のひとつは、成形には金型が必要になることです。金型の製作には高額な初期費用がかかるうえ、製品形状を後から少し変更したい場合でも、対応が難しいというデメリットがあります。
 もうひとつの理由は、加工精度の違いです。樹脂成形の中でも高精度とされる射出成形と比べても、一般的には切削加工のほうがより高精度な仕上がりが得られるとされています。そのため、より厳しい寸法精度が求められる精密部品では切削加工が選ばれることが多いのです。
 グリーンメタルでは樹脂材の加工経験も豊富です。
培った加工技術・ノウハウを活かし、材質に合わせた量産加工ならお任せください!

次回もお楽しみに!

 次回は、「材料の選び方」についてご紹介します!コスト・精度・加工性など、どんなポイントを考慮して材料を選べばよいのか?初心者にもわかりやすく解説します。お楽しみに!

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