
はじめに
こんにちは!今回のテーマは「切削油の種類」です。切削油には大きく分けて「水溶性」と「不水溶性」の2種類があり、それぞれに異なる特徴があります。今回はこの2種類の切削油の基本的な性質についてご紹介します。
水溶性切削油(すいようせいせっさくゆ)とは?
水溶性切削油は潤滑剤などの原液に水を加えて希釈(きしゃく:薄めて使う)して使うタイプです。主に以下のような特徴があります。
- ●冷却性が高い
水分が多いため、加工時に発生する熱を素早く吸収し温度上昇を抑えてくれます。 - ●作業環境が快適
においやミストが少なく、作業現場の衛生や視認性を保ちやすいです。 - ●引火しにくい
水が主成分のため、火災のリスクが低いです。
一方で潤滑性がやや劣ることや、腐敗や細菌の繁殖に注意が必要とも言われています。

不水溶性切削油(ふすいようせいせっさくゆ)とは?
不水溶性切削油は鉱物油や合成油をそのまま希釈せずに使うタイプです。「ストレートオイル」とも呼ばれます。特徴は以下の通りです。
- ●潤滑性が高い
工具と材料の摩擦を減らし、摩耗を抑えて加工面の仕上がりを良くします。 - ●防錆性(ぼうせいせい)に優れる
金属表面を油膜が覆うため、加工後のサビを防ぎます。 - ●安定性が高い
腐敗しにくく、長期間使用できるのもメリットです。
その一方で冷却性能は水溶性より劣り、オイルミスト(油煙)やにおいが発生しやすいとも言われています。

まとめ
種類 | 主な特徴 |
---|---|
水溶性切削油 | 冷却性が高く、作業環境にやさしい。腐敗や雑菌に注意。 |
不水溶性切削油 | 潤滑性と防錆性に優れ、長期間使用できる。オイルミストやにおいが課題。 |
使用する機械や加工条件、材料の性質によって適した油は異なります。それぞれの特性を理解することがより良い加工につながります。

次回もお楽しみに!
次回からは自動盤加工で使われる切削工具「バイト」についてのシリーズが始まります。是非、お楽しみに!