第26回:【自動盤で使われるバイト】バイトの種類と用途

はじめに

 前回はバイトの基本構造についてお伝えしました。今回はその続きとして、バイトの「種類」と「用途」に注目します。
 加工内容に応じて様々なバイトがありますが、その中でも基本的なバイトをいくつか紹介します。

1.外径加工用バイト

 材料の外側(外径)を削って形を整えるためのバイトです。材料の外径を指定寸法まで削ったり、テーパー(円錐状に先細りしている形)や段差を加工する際に使われます。
 自動盤では最も基本的なバイトであり、粗加工から仕上げ加工まで幅広く使われ、長さや刃先角度も用途に応じて多様です。
 

2.内径加工用バイト

 材料の内側(内径)を削って穴の形を整えるためのバイトです。穴の径を広げたり段付きやテーパーなどの内径形状を加工する際に使われます。
 外径加工と並んで重要なバイトであり、加工深さや形状に応じて刃の長さや角度、チップ形状など多様な種類があります。

3.溝(みぞ)入れバイト

 溝入れバイトは材料の外径や内径に溝(みぞ)を切るためのバイトです。様々な幅や深さの溝加工に使用されます。
 溝幅や深さに応じて刃先形状や角度、バイトのサイズが多様に用意されています。粗加工から仕上げ加工まで幅広く対応できる重要な加工用バイトです。

4.突っ切り(つっきり)バイト

 突っ切りバイトは加工中の材料を指定した長さで切り離す(切り落とす)ためのバイトです。
 切削抵抗が大きくなりやすいため、バイトの剛性に注意が必要です。自動盤では欠かせない、基本かつ重要なバイトのひとつです。

おわりに

 バイトは加工箇所や目的に応じてさまざまな種類があり、使い分けが大変重要です。適切なバイトを選ぶことで加工効率や製品の品質が大きく変わります。

次回予告

 次回は「チップ交換式バイトと研削バイト」について解説します。それぞれの特徴をわかりやすく紹介しますのでお楽しみに!

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