<下書き>第21回:【自動盤で使われる油】潤滑油と切削油の違いと役割

はじめに

 こんにちは!今回から「油」についてのシリーズがスタートします。自動盤にはさまざまな油が使われていますが、大きく「潤滑油」と「切削油」の2つに分けて説明します。この2つは似ているようで、役割も使われる場所もまったく違います。

潤滑油(じゅんかつゆ)とは?

 潤滑油は、その名の通り機械内部の部品をスムーズに動かすための油です。主に以下のような場所に使われます。

  • ●スピンドル(主軸)などの回転部
  • ●スライド面や送り装置の摺動部(しゅうどうぶ:部品がこすれ合いながら滑って動く部分)
  • ●ギアや軸受などの可動部

 これらの部品同士が直接こすれ合うと摩耗や焼き付きが起きますが、潤滑油が間に入ることで摩擦を減らし、長寿命化と安定動作を実現します。

潤滑油は基本的に加工には直接関与せず、機械そのものを守る油です。

切削油(せっさくゆ)とは?

 一方の切削油は加工中に工具と材料の間に入り込んでサポートする油です。自動盤では加工時に絶えず切削油が流され、次のような役割を果たします。

  • ●摩擦を減らして工具の摩耗を抑える(潤滑)
  • ●発生した熱を逃して寸法変化を防ぐ(冷却)
  • ●切粉(きりこ:切りくず)を洗い流す(洗浄)
  • ●錆びを防ぐ(防錆(ぼうせい))

 つまり切削油は、製品の精度や仕上がりに直接影響する重要な油なのです。

まとめ:機械と加工、それぞれを支える油

油の種類主な役割使用場所
潤滑油(じゅんかつゆ)機械の動作を滑らかにし、摩耗を防ぐ主軸、ギア、摺動部など
切削油(せっさくゆ)加工の品質を支え、熱・摩耗を抑える工具と材料の接触部

 どちらも自動盤に欠かせない存在ですが、それぞれ「機械を守る潤滑油」と「加工を支える切削油」というように目的が異なるのです。

次回もお楽しみに!

 次回は切削油の持つ重要な役割について、より詳しく解説します。ぜひご覧ください!

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