<下書き>第22回:【自動盤で使われる油】加工を支える切削油の役割

はじめに

 こんにちは!前回は自動盤に使われる油として「潤滑油(じゅんかつゆ)」と「切削油(せっさくゆ)」があることを紹介しました。今回は切削油の重要性について役割に分けて説明します。

切削油の主な役割

① 潤滑(じゅんかつ)

 切削中、工具と材料が直接こすれ合うと摩擦が生じ、工具の摩耗や焼き付きが起こります。切削油はこの摩擦を軽減し、工具の寿命を延ばし、加工面の仕上がりを良くします

② 冷却(れいきゃく)

 切削時は熱が大量に発生します。これが溜まると材料が熱で膨張して寸法精度が狂ったり、工具が早く傷んだりします。切削油は加工点に熱がこもらないよう冷却し、安定した加工を可能にします。

③ 洗浄(せんじょう)

 切削によって生じた切粉(きりこ:切りくず)を洗い流す働きがあります。これにより切粉が加工部に残って傷をつけたり、機械内部に溜まったりするのを防ぎます。

④ 防錆(ぼうせい)

 加工中・加工後に製品や機械が錆びないように表面を保護します。材質によっては防錆効果はとても重要です。

まとめ

 もし切削油が無かったら工具はすぐに摩耗し、加工面も粗く、熱によって寸法精度も不安定になります。
 切削油は単なる“潤滑剤”ではありません。工具を守り、加工品質を支え、機械を長持ちさせる「縁の下の力持ち」なのです。自動盤の安定加工には切削油が欠かせません。

次回予告

 次回は切削油の「種類」について解説します。水溶性と不水溶性の違いなどについてご紹介しますので、どうぞお楽しみに!

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