
はじめに
こんにちは!前回は自動盤に使われる油として「潤滑油(じゅんかつゆ)」と「切削油(せっさくゆ)」があることを紹介しました。今回は切削油の重要性について役割に分けて説明します。
切削油の主な役割
① 潤滑(じゅんかつ)
切削中、工具と材料が直接こすれ合うと摩擦が生じ、工具の摩耗や焼き付きが起こります。切削油はこの摩擦を軽減し、工具の寿命を延ばし、加工面の仕上がりを良くします。
② 冷却(れいきゃく)
切削時は熱が大量に発生します。これが溜まると材料が熱で膨張して寸法精度が狂ったり、工具が早く傷んだりします。切削油は加工点に熱がこもらないよう冷却し、安定した加工を可能にします。
③ 洗浄(せんじょう)
切削によって生じた切粉(きりこ:切りくず)を洗い流す働きがあります。これにより切粉が加工部に残って傷をつけたり、機械内部に溜まったりするのを防ぎます。
④ 防錆(ぼうせい)
加工中・加工後に製品や機械が錆びないように表面を保護します。材質によっては防錆効果はとても重要です。
まとめ
もし切削油が無かったら工具はすぐに摩耗し、加工面も粗く、熱によって寸法精度も不安定になります。
切削油は単なる“潤滑剤”ではありません。工具を守り、加工品質を支え、機械を長持ちさせる「縁の下の力持ち」なのです。自動盤の安定加工には切削油が欠かせません。
次回予告
次回は切削油の「種類」について解説します。水溶性と不水溶性の違いなどについてご紹介しますので、どうぞお楽しみに!