<下書き>【連載1周年特集】 総集編 第2回:自動盤の材料と切削油

はじめに

 GMテクノロジー・ラボ読者の皆様こんにちは!
 今回も連載1周年特集として総集編をお届けします。 第2回目となる今回は自動盤で使用される様々な材料、そして加工に不可欠な切削油について振り返ります。
 総集編につき内容がやや長くなりますが、もしよろしければ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

1.自動盤加工に使われる材料

 自動盤では棒材(バー材)と呼ばれる長い棒状の材料を使い、連続加工を行います。
 材料は主に以下の3つのカテゴリに分けられます。

鉄系材料

 鉄(Fe)が主成分の金属です。切削性に優れる「快削鋼」や、強度・耐摩耗性などが優れる「炭素鋼」、耐食性に優れる「ステンレス鋼」などがあります。

非鉄金属材料

 鉄(Fe)を主成分としない金属です。加工性が良くバリが出にくい「真鍮」や、軽くて耐食性に優れる「アルミニウム」、電気・熱伝導率が非常に高い「銅」などがあります。

樹脂材料

 合成樹脂(プラスチック)を原料とし、軽量性や絶縁性などの特徴を持つ材料です。

2.加工の難しさとノウハウの重要性

 材料の中には硬度が高い、熱が集中する、粘りがあるなどの理由で切削加工が難しい「難削材」があります。

代表的な難削材

 チタン、インコネル、オーステナイト系ステンレス(SUS316など)、難削性のある銅合金(ベリリウム銅など)。

加工の工夫

 難削材を安定して加工するためには回転数や送り速度を抑えて発熱を防いだり、切削油を適切に使用して刃先の冷却と潤滑を行うなど、材料ごとのノウハウの蓄積が不可欠です。
 適切な加工条件の選定は、製品の品質と生産効率に直結します。

3.品質を守る縁の下の力持ち:切削油の役割と種類

 自動盤加工の安定性を支える重要な要素が「油」です。切削油は加工中に工具と材料の間に入り込み、製品の精度や仕上がりに影響を与えます。

切削油の重要な役割

 切削油には主に以下の役割があります。

1. 潤滑(じゅんかつ):摩擦を減らし工具の摩耗を抑え、加工面の仕上がりを良くする。

2. 冷却:切削熱を逃がし材料の膨張による寸法精度の狂いを防ぐ。

3. 切粉除去:発生した切りくず(切粉)を洗い流し、加工部に残るのを防ぐ。

4. 防錆(ぼうせい):製品や機械が錆びないように保護する。

次回もお楽しみに!

 2回にわたる総集編を通じて自動盤加工の基礎、構造、そして使用される材料・切削油の重要性について振り返りました。内容が多く長めになりましたが、お付き合いいただきありがとうございます。
 次回からは「バイト」シリーズの続きをお届けします。
 GMテクノロジー・ラボでは、これからも加工に関する専門的な知識を分かりやすくお届けしてまいります。
 今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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