第14回:【自動盤の制御方式】CNC自動盤を詳しく知ろう

はじめに

 みなさん、こんにちは! 前回はカム式自動盤について詳しく解説しました。今回は現在の主流であるCNC(コンピュータ数値制御)自動盤について詳しく説明します。

CNC自動盤の特徴

 CNC自動盤はコンピューターによる数値制御(Computer Numerical Control)で刃物や材料の動きを管理する自動盤です。加工プログラムを入力することで、刃物の動きや主軸の回転、送り速度などを正確に制御できます。長い加工プログラムを組むことが出来るため、複雑な形状の部品の加工も可能です。

CNC自動盤のメリット

 ● プログラム変更で加工内容を調整可能(カム式のように品種毎の専用部品は不要)
 ● 複雑な形状の量産加工が可能(長い加工プログラムを組める為、複雑な形状の加工に対応)

CNC自動盤のデメリット

 ● カム式に比べると生産効率が低くなる場合がある(カム式の様に複数刃物の動作を同時に行うような最適化は出来ず、1つ1つの動作を順に行う為)
 ● メンテナンスなどの維持費がかかる(故障などの際にはメーカーによる専門的な修理が必要)

CNC自動盤のプログラムコード

 CNC自動盤では加工の指示をプログラムコードとして入力します。代表的なものにGコード(ジオメトリコード)とMコード(マシンコード)があります。

 ● Gコード(ジオメトリコード):工具の移動や加工位置などの指示を行う
 ● Mコード(マシンコード):主軸の回転や切削油のオン・オフなどの制御を行う

 例えば、以下のようなコードが一般的です。


M03 S1500 ; 主軸を1500回転で正回転
G00 X10.0 Y5.0 ; 工具をX10.0, Y5.0の位置に高速移動
G01 Z-2.0 F0.02 ; Z軸を-2.0まで送り速度0.02で移動

 このようにGコードやMコードなどを組み合わせて加工プログラムを作ります。プログラムを変更するだけで異なる形状の加工が可能にで、カム式のように機械部品を交換する手間が不要です。

CNC複合自動盤とは?

 CNC自動盤の発展形として「CNC複合自動盤」があります。これは複数の主軸や刃物台を搭載し、一台で旋削・フライス・穴あけなどの複数工程を完結できる機械です。従来、複数の機械を使っていた工程を一台で済ませることができ、生産効率の向上や品質の安定化につながります。CNC複合自動盤については別の機会に詳しく説明します。

まとめ

 CNC自動盤はプログラムによる柔軟な制御が可能で、複雑な部品の連続加工に適しています。さらに進化したCNC複合自動盤では一台でより多くの加工が可能になっています。一方で、シンプルな加工品の大量生産においてはカム式自動盤の方が有効な場合もあります。

次回予告

 次回からは、自動盤の「材料」について解説します!お楽しみに!

ページトップボタン