第13回:【自動盤の制御方式】カム式自動盤を詳しく知ろう

はじめに

 みなさん、こんにちは! 前回は自動盤の制御方式による分類である、カム式自動盤とCNC自動盤ついて簡単に説明しました。今回はカム式自動盤について、もう少し詳しく解説します。

カム式自動盤の仕組み

 カム式自動盤はカムと呼ばれる円盤状の部品を使って軸や刃物の動きを制御する機械です。カムには溝や突起が刻まれており、それが機械の各部に伝わることで、バイト(刃物)や材料送り装置が決められた動きをします。カムの形状を設計・製作することで、加工する部品の形状が決まります。

カムの種類と役割
 カム式自動盤には、その役割毎に以下のようなカムが使われています。

  • 主軸カム:主軸の移動や送りを制御する。
  • 刃物台カム:バイト(刃物)の前進後退の動きを制御する。
  • 軸押しカム:穴あけやネジ加工に使用する。

 これらのカムが連動し、手作業なしで連続的に加工を行うことができます。

カム式自動盤のメリット

 カム式自動盤には以下のような利点があります。
 ● 高速で量産できる
  カムの動作は機械的に最適化されており、無駄がなく生産効率が良い。
 ● 動作が安定している
  機械的な制御のため、一度調整すれば同じ動作を繰り返せる。
 ● 機械的制御の為、比較的故障が少ない
  シンプルな機械構造のため、CNC自動盤に比べてメンテナンスが容易。

カム式自動盤のデメリット

 一方で、カム式自動盤には以下のような課題もあります。
 ● 加工品ごとにカムを作る必要がある
  新しい部品を加工する場合、専用のカムを設計・製作しなければならず、初期段階で時間とコストがかかる。
 ● 複雑な形状の加工には向かない
  カムの1回転で加工する必要がある為、CNCに比べてシンプルな形状の部品加工が中心となる。
 ● 現在は生産されていない
  カム式自動盤は現在では製造販売されておらず、既存の機械をメンテナンスしながら使い続ける必要がある。

当社におけるカム式自動盤の活用

 現在、カム式自動盤はすでに製造されていませんが、グリーンメタルでは今でも社内でメンテナンスを行いながら稼働しています。機械的な制御によるシンプルな構造のため、適切に調整・修理を行えば長く使い続けることができ、安定した量産加工を実現できるのが強みです。特にシンプルな形状の部品を大量に生産する場合には、CNC自動盤よりも効率的に加工できるため、今でも現役の戦力として活躍しています。

次回予告

 次回はCNC自動盤について詳しく解説します!お楽しみに!

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