第33回:【複合自動盤の仕組み】C軸制御とは?~回転を「角度」で操る~

はじめに

 こんにちは!GMテクノロジー・ラボです。
 前回は複合自動盤の秘密兵器「回転工具(かいてんこうぐ)」についてお話ししました。 「刃物がドリルのように回転する」ことで横穴あけなどが可能になるという内容でしたね。
 しかし、ここで一つ大きな疑問が生まれます。
 「材料が猛スピードで回っているのに、どうやって決まった場所に穴を開けるの?」
 今回はその疑問を解決する「C軸制御(シーじくせいぎょ)」について解説します。

「回す」から「止める」へ

 これまでの連載で学んだ通り、旋盤の主軸(しゅじく:材料をつかんで回す部分)は基本的に「材料を高速で回転させること」が仕事です。
 毎分何千回転という速さで回っている材料にドリルを当てても、きれいな「穴」は開きません。全周削れて「溝(みぞ)」になってしまいます。
 そこで、複合自動旋盤には主軸の動きを切り替える特別な機能がついています。 それがC軸制御です。

C軸制御ってなに?

 C軸制御とは一言でいうと「主軸の回転角度をコントロールする機能」です。
 通常の旋盤の動きが、風を送るために回り続ける「扇風機の羽根」だとしたら、C軸制御は「時計の針」のような動きができます。

• 「3時の位置でピタリと止まれ!」

• 「そこからゆっくり10度だけ動いて!」

• 「0.001度のズレもなく待機!」

 このようにコンピューター(CNC)の指令によって材料を自由自在な角度で止めたり、ゆっくり動かしたりすることができるのです。

何ができるようになる?

 前回の「回転工具」とこの「C軸制御」を組み合わせることで加工の幅が一気に広がります。

1. 正確な位置への穴あけ
 例えば、棒材の側面に「十字」に穴を開けたい場合。 C軸を使って0度で止めて1つ目の穴を開け、くるっと90度回してピタリと止めて2つ目を開ける……ということが可能になります。

2. 複雑な曲面加工(きょくめんかこう)
  回転工具で削りながらC軸で材料をゆっくり回す(同時制御する)ことで、円柱の一部を平らにしたり、滑らかなカーブを作ったりできます。

 六角ボルトの頭のような形も、実はこのC軸と回転工具の連携プレーで削り出していることが多いんですよ。

まるでロボットの手首

 第14回で「CNC(コンピュータ数値制御)」について解説しましたが、C軸制御はその進化系と言えます。 ただ勢いよく回るだけだったモーターが、C軸制御が入った瞬間に「ロボットの精密な手首」に変わるようなイメージです。

次回もお楽しみに!

 これで「好きな角度」に穴を開けたり、面を作れるようになりました。 でも、加工したい場所は必ずしも「材料の中心」とは限りませんよね?
 「中心から少しズレた位置(偏心位置)に穴を開けたい」 「真っ平らな面(Dカット)を端まできれいに作りたい」。
 そんな時に必要になるのが「Y軸制御(ワイじくせいぎょ)」です。 次回は、このY軸について解説します。お楽しみに!

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